昨年末から『進撃の巨人』にハマりました。
NHKでファイナルシーズンが開始されて見始めたのですが、頭の中が「????」の嵐。
「何、これ???何の話???いつの時代の話???」とパニックに陥り、シーズン1から見返すものの、「時間がかかるー!」とツタヤで既刊の漫画を全巻レンタル。おりしも閉じこもりの年末年始でしたので読む時間はたっぷり。
もうね、そこでファイナルシーズンに該当するマーレ編、すなわち23巻以降を初めて読み、壁、いえ、海の向こうの真実を知ったのですが、怒涛の衝撃を受けました…!
いやね、原作やコミックにより先のストーリーを知っている勢からは「壁の向こうにはね…」「世界の一端しかまだ理解していない…」「まだ真実を分かっていない…」と散々意味ありげなことを言われていましたが、わたしはアニメ派。
アニメが展開されるまで絶対に真相を知らないままにいくぞー!!!と誓っていました。いや、まぁ多少はなんか知っていたけれど…
それでも…
えええええーーーーーー!!!!
海の向こうってこうなっているのーーーーーー!!!!
と衝撃を受けました。
ネタバレあります。思いっきりネタバレあります。気になる人は以下を読まないでください。
原作漫画の絵柄が苦手
身も蓋もないことを言いますと『進撃の巨人』の原作漫画の絵柄が苦手です。今も苦手です。
進撃の巨人って連載期間が長かったので、その間に何回かブームがあると思うんですけれど、正直、漫画は本当に苦手でした…
わたしの場合、ネカフェで1巻から読み始め、毎回もう無理…と挫折を繰り返しました。で、その横で主人がすいすいと読んでいましたが、わたしは理解を放棄。
作者独特のあの独特の絵柄があの世界の気持ち悪さを増長させ、さらに登場人物の区別がつかねー!!!という悩みも深く…絵が下手というのもあると思うんですが、それ以上に生理的に受け付けない何かが…汗
とはいえ、ヲタ友の間で妙に人気があるし…とアニメを見ました。普通に面白いと思いましたし、気持ち悪いと思いましたし、残酷でえぐいと思いましたが、それでもクスリと笑えるところとかブレない魅力的な登場人物とか謎が謎を呼ぶ展開にワクワクしていました。
が、ハマるということはありませんでした。
いや、訂正します、ハマっていました。確かにハマりました。
特に激しい戦闘の果てに推しであるエルヴィン・スミスが亡くなり、謎の一端に触れたシーズン3は胸を打たれました。が、わたしはまだ冷静でした。
「うむー海の向こうに敵がいるのね…」
で次のシーズンから敵が現れるのね…と思って約2年後の昨年末、NHKテレビで放送されたファイナルシーズン、もとい、マーレ編を見て「なんじゃこりゃ…???」と。
衝撃の展開、23巻以降のマーレ編とは?
マーレ編とは何か?
壁の外の世界の真実と向き合い、激しい戦いが繰り広げられる編。
もとい、主人公のエレン闇落ち & 真の主人公ライナー頑張れ!!!!シーズンですね。
今まではエレンやミカサ、アルミンの幼馴染3人衆や調査兵団などが謎の巨人に立ち向かっていく展開でした。
分かりやすく、壁の中側にあるのは人を守るという正義であり、人を食い殺す巨人は悪であると設定されていました。
が、マーレ編に入ると今度は壁の外からの理不尽な正義が描かれており、価値観が逆転します。いえ、価値観がブレブレに。何が正義で何が悪なのか、と。
ライナー・ブラウンという存在
壁の外と内。
それを体現するのがライナー・ブラウンであり、それゆえにマーレ編ではライナーの痛々しさが際立ち、「まじ、ライナーかわいそすぎる…涙、涙、涙」と胸痛める結果に。
なんであんな子どもたちをパラディ島に送り込むんだよ…!!!マーレの上層部はあほか!!!と。
はじめからジークを送り込んでおけば、ジークが冷静に冷徹にすべてを片付けていたような気もするのですが…
もう自殺未遂まで追い込まれるライナー・ブラウンに感情が揺り動かされる一方、闇落ちしていくエレンにも心を動かされました。
進撃の巨人と始祖の巨人を有するエレン・イェーガー
今となってみると進撃の巨人と始祖の巨人を有するエレンが脳内で見ていた景色は一般のエルディア人とは異なるものだったのだろう、と。
そう、理解はできます。
未来を見る進撃の巨人、過去の歴史を継承する始祖の巨人。
王家の血筋をひかないエレンがどこまで始祖の巨人が有する過去に触れることができたのか定かではありませんが、ヒストリアやジークと触れ合うことで始祖の巨人の持つ知識もそれなりに吸収したのかな、と想像しています。
エレン…
巨人になり、膨大な知識と感覚を得た時点でエレンと共感を有する人が壁の中にいなかったのかもしれない、と感じました。
最終話の行方は…
9日の最終話でどうなるか定かではありませんが…決してハッピーエンドじゃないんだろうな、と覚悟をしています…
漠然と始祖ユミルの力により、エルディア人は巨人化の能力を失われるのでないか、と。
そして、物語的にわたしは未来を予測し、主人は過去に戻ることを予測しています。果たしてどちらが正解でしょうか…
1話目のフラグを回収するのかなぁ…
この世界は残酷なんだ「戦争とはこういうものか…」
進撃の巨人に対していろいろと歴史を重ねる人は多いでしょう。
個人的にはナチスのユダヤ人迫害を思い起こし、同時にガビのセリフに日本統治時代の歴史を許さない韓国人を思い出したりもしたものです。
なんていうのかなぁ、わたしは戦争というものを知識として知っていますが、その戦争の裏側に何があるのかなどを考えたことがありませんでした。戦争にまつわる歴史的事実は認識できても、戦争がなぜ起こるか、何が起こっているかを理解していませんでした。
が、進撃の巨人を見て「戦争とは誰かを何かを守るために起こるのだ」と認識させられました。そして、対する相手も「誰かを何かを守るために立ち上がるのだ」と。
その事実をマーレ編が始まってからまざまざと感じさせられました。
10年以上にわたる連載で途中で挫折した人も多いでしょうし、オワコンとか言われていた時期もありますが、そんな人たちに言いたいのはこれ。
「進撃の巨人は23巻からが面白いんだよー」と。
はぁ、終わるのが寂しい…残酷で痛い話だけれど、純粋にストーリーで読ませる作者の腕がすごい…