ベトナム映画『青いパパイヤの香り』にみるどこまでも透明な官能性。

先日、久しぶりにベトナム映画『 青いパパイヤの香り 』を視聴しました。

もう何度観たことでしょうか?

初めて観た時から20年近く経ちますが、今なおこの映画を観るとわたしの胸はキュンキュンとするんですよ、ええ、アラフォーになった今でも胸キュンキュン。

一種のシンデレラストーリーなのかな?

監督は松山ケンイチ君が出演した『ノルウェイの森』と同じ人。トラン・アン・ユン。

『ノルウェイの森』は駄作だったと思っているけれど、それを言うならば、『青いパパイヤの香り』以外は失望を覚えさせた監督だったなぁ~(・・;)

それだけにデビュー作の『青いパパイヤの香り』は珠玉の輝きを放っています。デビュー作にすべての力を出し尽くしちゃったみたいな・・・遠い目。

美しい映画。

瑞々しい映画。

そして、比類なき透明な官能性を漂わせた映画。

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映画『青いパパイヤの香り』。

ドキュメンタリー出身のベトナム系フランス人、トラン・アン・ユンの初めて劇映画。サイゴンのある資産家の家に、10歳の少女ムイが奉公人として雇われて 来た。その家には優しい女主人と根無し草の旦那、三人の息子たち、そして孫娘を失って以来二階にこもりっきりのお婆さんがいた。ムイは先輩女中に教えら れ、一家の雑事を懸命にこなしていく。そして彼女は、ある日長男が連れてきた友人クェンに恋心を抱く……。

yahoo映画『青いパパイヤの香り』より

『青いパパイヤの香り』の影響を受けてベトナムへ飛んだわたし。

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初めて観たのはいつだったのだろう?

記憶は曖昧。

そう、記憶は曖昧だけれど、本当にこの映画に惹かれたのは社会人になってから。社会人2年目、仕事に慣れてきて、理不尽なことにも頷くことを覚え、コーヒーの苦みを美味しく感じるようになり、「あ、わたし働いている」と実感が出た頃にもう一度観たのよね。なんだか疲れている脳にはこういうヒーリング映画がいいのよね~と。

そして、恋に落ちました。わたしはベトナムへ。あの頃のわたしはアクティブだったのだ(笑)今の引きこもり専業主婦とは違う積極性があったのだと実感をします。若さゆえの情熱といおうか。

当時のベトナムは活気にあふれた国でした。自転車だらけで道を横断するのにも苦労をしたわ~なんてね。そうそう、はじめてベトナムを訪問したとき、アオザイを購入しました!でも、結局、帰国後は一度も着ないでクローゼットに眠っておりますが(・・;)

あの後、いろいろな国へ旅行したけれど、再訪した国はベトナムだけ。

苦い思い出もあるけれど(ぼったくりとか・・・ぼったくりとか・・・あと、スリね)、いい思い出も多い国なのです!食べ物もおいしいしね~

そう、『青いパパイヤの香り』はベトナムへ行くきっかけを作ってくれた映画。

『青いパパイヤの香り』における少女ムイの眼差し。

映画はざっくりと分けると前半と後半に分かれています。

少女ムイが奉公先にて、女主人やおばあさん、その家に住む男の子とのほのぼの(?)交流をしている様子。実際はその家にも暗い面があるのですが(旦那放浪癖、一家困窮など)、少女ムイはどこまでも純真で清らかに青いパパイヤを剥いています。

そして、いきなり時が10年飛ぶ後半。

ムイは奉公先の一家と離れて別の主人のもとへ奉公に出ることに。そして、ピアニストの主人と大人になったムイの間にひそかに心が通じ合っていく。そして、最後、微笑むムイ。

前半と後半はガラリと舞台が変わり、その唐突さに戸惑いますが、個人的にはそれもありかなぁ、と思います。とはいえ、この映画の魅力は前半部分に集中していると思います。

子どもの好奇心というフィルターを実にうまく表現している前半は本当にたうたうようで、いかにもドキュメンタリー出身の監督らしいカメラワークの使い方。少女ムイの清らかさを際立たせ、そして、クスリとなんだか笑えてしまうんだよね。

それが大人になると薄れてしまうのが残念。でも、大人時代はガッツリとラブストーリーだから、それでいいのか。

『青いパパイヤの香り』におけるどこまでも透明な官能性。

それにしてもなんという官能性。それも透明な官能性。

『青いパパイヤの香り』は非常にドキドキさせられる映画ですな。

キスシーンもそのものズバリのシーンもない、視線をかわすこともほとんどない、それなのになんという官能性!

映画に登場するパパイヤはエロスの象徴と指摘する人が多いですが、確かにそうでしょうね。硬いパパイヤを二つに割るムイ。中からは整然と並んだ白い種が姿を現します。そっと種に触れるムイ・・・

ゾクゾクとします。

映像の力による隠喩。

そういう意味では非常に技巧的な映画なのかもしれません。何しろ全編セットでフランスの地で撮影されていますしねーこれを知ったときショックでしたよ・・・わたしはこの映画を観て、ベトナムへ飛んだのに・・・!と。でも、見事なセットですわ・・・

そして、物語の終わりはハッピーエンドなんですが、物語が終わった後に恐らくベトナム戦争がムイに襲い掛かるのだろうと思います。ムイがピアニストのご主人と亡命できていたらいいなぁ、と祈るように思います。

不思議な余韻を残す映画。

わたしにとっては究極のヒーリング映画。セリフが少なく、ただただ映像の美しさと流れるような画面の切り替えとそしてとびっきりの官能性を味わう映画。

オススメです。

ちょっと疲れた時に観ると尚よろし。

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ワタノユキ

奈良在住のアラフォー主婦。
マイペースに生きる主婦 & 在宅ワークの日々(since20141003)。理想と現実の狭間を永遠に彷徨い中。 詳細なプロフィールはこちらにて。 わたしらしく年齢を重ねる 大人の塗り絵ライフ もよろしく♡
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