日本最古の道、山の辺の道。
子どもの頃から山の辺の道を何度も歩いておりますが、まだ一度もきちんと踏破をしたことがなく。「それではいかん」と、主人と二人桜井駅~天理駅間の山の辺の道南コース(約16キロ)を歩いてきました。
実に数年越しの夢が実現!
南コースは踏破達成。後は北コースを歩けば山の辺の道完全制覇です。
山の辺の道南コースとは。
桜井駅~天理駅間の約16キロを指します。
桜井には日本最古の神社大神神社があり、天理には石上神宮があり、はじまりから終りまで荘厳な雰囲気を。とはいえ、道中はかなりのどかな田舎景色でして、何もありませんが。
わたしは桜井駅から歩きだしましたが、天理駅から歩く人の方が多いと思います。そこはお好みで。どちらから歩くとしても、最後は駅に向かって現実世界に帰る感じですね(^^;最後の参拝を石上神宮で迎えたいか、大神神社で迎えたいか、などで決めてもいいかも。
道中は平坦な道も多いですが、山道や石畳を歩くこともあります。当然、サンダル、ヒールで歩くのは厳しく、スニーカーでは場合によっては滑る可能性も。わたしはトレッキングシューズで歩きました。
また、途中で気軽に買えるお店やお昼を食べられるお店とかは極めて少ないですので、おにぎりを2~3個ほどバッグに忍ばせておくとよろしいか、と。わたしたちは桜井駅に併設されているコンビニエンスストアでおにぎりやお菓子を購入していきました。天理駅から出発される方も天理駅構内にコンビニエンスストアがありますのでご安心を。
道の途中で柿やみかん、いちじくなどは多く売られておりますが!
山の辺の道南コースを踏破が目標。
今までは山の辺の道を歩く=ちょこっと観光気分でいろいろと寄り道をしておりました。
が、結果としてその寄り道が致命的となり、今まで山の辺の道南コースを踏破できなかったような気がします(;´・ω・)
そこで今回は寄り道ナッシーングでひたすら黙々と歩くことに徹底しました。古墳一周とか由緒正しき寺社仏閣散策とかミカン狩りカフェで休憩とかしないことを誓い、ひたすら黙々と歩くことに。
結果として7時半に桜井駅を出発し、1時半頃に天理駅に到着を。
山の辺の道南コースを歩く。
前日に雨が降った朝。
空気はどこか湿り気を帯びており、しっとりとした風情を漂わせている。ということは道も濡れているに違いない。
桜井駅の改札口を出てすぐ左手に近畿日本鉄道てくてくマップ山の辺の道南コースが置かれています。それを手にとって歩くといいかな、と。
※補足。近畿日本鉄道てくてくマップは奈良県内の主要駅なら大概置いていると思います(*'ω'*)今回の山の辺の道以外にもいろいろとコースがありますよ。
日本最古の神社、大神神社(おおみわじんじゃ)。
はじめは桜井市内から三輪山に向かって歩く形に。
ある瞬間を境にそれまで普通の市街地だったのに、急に神さびた風情を漂わせはじめます。テクテクと歩くと大神神社の注連縄が目に入ります。
大神神社は日本最古の神社と言われています。
ご神体を祭る本殿がなく、拝殿のみ。森羅万象が宿る山そのものが信仰の対象になります。古代の神とはそういう存在だったのですね!
さて、まずは「山の辺の道南コース踏破」の祈願を。余力があれば狭井神社で霊験あらたかな飲み水(ペットボトル)を買うのもオススメ。が、今回のわたしたちの合言葉は「寄り道をしない=山の辺の道南コース踏破!」でグッとこらえました(大した寄り道ではないので、是非どうぞ!)。
大神神社を出た後、次の目標地点、檜原神社まではのどか~な道が続きます。檜原神社から見える夕日は絶景のようですが、わたしは見たことがなく(・・;)
その檜原神社でしばし休憩。
広大な景行天皇陵・崇神天皇陵。
その後は古墳がワンサカとある道に入ります。わたしたちはまっすぐ景行天皇陵・崇神天皇陵を目指します。
ちなみに古墳とは大概ただの小山です。田んぼや畑、民家の合間にぽつんとこんもりと浮き上がっているものがあればそれが古墳です。木や草がうっそうとしておれば、さらにその周りにお堀があれば、ほぼ間違いなく古墳です。看板が立っていなくても古墳です。
体力に自信のある方、古墳の上を歩いてみたい方はどうぞ歩いてみてくださいませ。古墳によっては周遊するだけで結構な距離に(汗)。このコースの古墳の詳細を知りたい方は以下のページへ。
また、このあたりから、写真のような無人販売がチラホラと見られるように。色々な場所にありますので比較してみると面白いですね!
弘法大使が建てた古刹、長岳寺。
そして、長岳寺入り口に到着。
長岳寺は緑に囲まれた美しいお寺。9世紀前半に弘法大使が建てた古刹。池の向こうから眺める本堂はとても美しく、いつ訪れてもわたしたちの目を楽しませてくれます。祀られている仏像も優美で何とも言えぬ情緒が。ここでは名物の三輪そうめんも食べることもできますよ!今回はスキップ。
また、長岳寺入り口には天理トレイルセンターがあります。コースに迷ったらここで相談してみるのもアリですね。お手洗いも綺麗ですし、休憩にはうってつけ。
長岳寺を抜けると念仏寺へ。念仏寺手前の道で曲がった先には墓地が多く立ち並んでいる中を歩くことに。その墓地の下には古墳があったりして、歴史の重なりを感じてシミジミと。
奈良はどこを掘っても何かしらの歴史の残骸が出てくると言われますが、墓地の上に墓地とな。妙に感心してしまうのです。
尾長鶏が歩きまわる、石上神宮(いそのかみじんぐう)。
ここからは石上神宮まで集落、柿畑、みかん畑、山の中をひたすら黙々と歩く形になります。
ただもうひたすら石上神宮を目指す形で歩きました!足は疲れを訴えておりますが、ここまでくると「あと少しー」という達成感がじわじわと。
石上神宮に入る前に素朴なカフェが目に入ります。
時間帯によってはここでランチやカフェタイムもいいかもしれませんね!
そして、念願の石上神宮へ。
石上神宮は物部氏ゆかりの神社になります。
歴史を振り返りますと・・・
大和朝廷の中で強大な権力を誇った物部氏は仏教伝来後、蘇我氏に滅ぼされました。歴史に「もし」も「たられば」もないと分かっていますが・・・もし、この時、物部氏が蘇我氏に勝利していたら、日本の歴史というか宗教観も大きく変わったのかな?と悠久の過去に思いをはせました。
あ、そうそう、石上神宮の境内には尾長鶏がいます。
尾長鶏は境内を自由に歩き回っております!「コケッ」と鳴く尾長鶏を眺めるだけでも愉しいですね。なんとものどかな佇まい。
石上神宮はもちろん、今回の出発地である三輪神宮もパワースポットとして名高い場所。
山の辺の道を歩くことでこの最強のパワースポット2か所を制覇できます!御利益、御利益~←汗
天理教教会本部の広大さに驚かされる。
石上神宮を抜けると一路天理駅へ。
その途中、黒い法被を着た人の姿をチラホラと見かけます。その背中には「天理」と。この地域には「天理教」という宗教が力強く根付いております。甲子園で有名な天理高校もその系列校になりますよ。
そして、ビックリするほど大きく、近代的な天理教教会本部が目にはいってきます!
それまでは古の佇まいを楽しんでいた身からすると一気に現代に意識を呼び戻されます。
その天理教教会本部を抜けると天理駅まで続く商店街が。1キロほど続いているか、と思われます。多分、奈良では一番活気にあふれる商店街。眺めているだけで楽しいですね!
わたしたち夫婦は1時前に商店街へ到着。そして、商店街の中でランチを頂きました。
山の辺の道南コースを踏破して。
今回、わたしたちが山の辺の道南コースにかけた時間。
歩数:約27,000歩
距離:約16キロ
約6時間ですね!
人生で初めて踏破し、幸せに浸っております(*'ω'*)
健脚の方、お昼を食べないでストイックに歩く方の場合でしたら、もっと早く歩けるかもしれません。逆に古墳やお寺を見学される場合はもう少し時間がかかる感じでしょうか?
この地図では分かりにくいですが、現地にいくとバス停やJRの駅が書かれている看板がありますので疲れた時に利用を考えてみるのもOKか、と。わたしは今までよく力尽きて利用しておりました(;´・ω・)
ちなみにJRの線は万葉まほろば線(桜井線)の桜井駅~天理駅間になります。本数は少ないですので、チェックをしてくださいね。
次は山の辺道北コース踏破を目指す。
今回、山の辺の道南コースを踏破しましたので、近々、北コースを踏破したいものですね。
改めて調べると2ルートがヒットしました。
奈良公園の中を通るコースは考えてもいなかった・・・が、こうなったら両方とも踏破をしてみたいと思います!できれば、今年中に。
山の辺の道南コースまとめ。
・お手洗いも髄所に設置されている
・最強のパワースポット2か所を制覇できる
・途中で力尽きた場合、バスやJRに逃げることができる
・途中、お店は極めて少ないためお昼は用意していく
多少の勾配はありますが、さほどハードなコースではありません。
山の辺の道では最もメジャーなコースですし、整備もきちんとされ、体力に自信のない方でも歩けると思います(*'ω'*)
紅葉が深くなるこれからの季節、いかがでしょうか?車でぶらりと訪問もいいですが、電車で訪問してのウォーキングを是非!