ここ最近、ネットウォッチャー界隈(?)ではスピリチュアル系女子やそれにまつわる怪しいキラキラ起業女子が話題になりました。
ま、いわゆる、子宮系女子とか布ナプキン万能女子、冷え取り最強、デトックスですべての悩みが解決!系の女子をさしますが、その女子を一刀両断に断ち切ってくれるのが『 呪われ女子に、なっていませんか?本当は恐ろしい子宮系スピリチュアル 』。
書店で立ち読みをして、ニヤリとしてしまい、思わず購入しました。
まぁ、何気にわたしも冷え取りや布ナプキン、オーガニックコスメ、デトックス界隈に関して「呪われ女子」に片足を突っ込んでいた(いる?)ような気がしますね。
その名残が わたしらしく年齢を重ねる にありますが、まぁ、今となっては「それもそれ」という感じです。
そして、わたしが良かったのはどれにもハマりきらなかったこと。
すべてが中途半端に終わり、他のモノに目移りすることが多かったのことが救いです(?)中途半端な呪われ女子でよかったわ、と今はシミジミ中。
何しろ、この呪われれ女子の界隈は胡散臭い話と共にお金がバンバンと飛び交う、という実に恐ろしき世界なのですから・・・!
つくづく出す金がなくてよかった・・・
山田ノジル著『呪われ女子に、なっていませんか?』
ノリは軽いが、罪は重い!
子宮系スピリチュアルや、布ナプキン信仰、冷え取り依存、デトックスにオーガニック…女性を狙う脅し系産業、「女はこういうケアをすべし」と刷り込む「呪い」の正体を検証。
時に面白おかしく、時に真面目に、女性の体を取り巻くあやしいものたちを、一刀両断致します。
『呪われ女子に、なっていませんか?』は 現代を思想する正解のないWEBマガジン WEZZY にて連載されていた weggy(ウェジー)山田ノジル の記事一覧 の記事をベースに編集されています。
WEB媒体の文体(内容も含めて)はそのまま引き継いでいますが、本では体系的に編集されており、読みやすい内容です。
この界隈に詳しい人にとってはニヤリとする内容ですが、初めての人にとってはトンデモ本に見えるかも!?
目次
第1章 子宮系女子 子宮の声に従い、やりたい放題!
第2章 経血コントロール おまた力のあった時代が理想
第3章 布ナプキン 子宮汚染という呪いにおびえる子羊たち
第4章 冷えとり健康法 靴下5枚履きは基本のキ
第5章 デトックス 毒素を出して美しく健やかに
第6章 オーガニック 自然こそ正義!人工物は悪!
つまり、『呪われ女子に、なっていませんか?』には子宮にまつわる女の業と美容や健康にまつわる女の業が描かれています。
読み終えた感想「わたし、一通りハマっていたわ・・・」
読み終えての感想。
子宮系女子以外、「わたし、一通りはまっていたじゃん!」ということ。
以下、わたしの自制と反省ともろもろをまず叫びます。
三砂ちづるさんが提唱する経血コントロール?ええ、本を読んだわよ。わたしは妙に納得したけれど、一度も実践しなかったわ。出来そうもなかったけれど、ゆるゆる体操の本とか買ったわねw
布ナプキン?PMSがあまりにも酷くて、一度試したわ。でも、マメさのないわたしには布ナプキンなんて無理よ!とすぐに挫折したわ。
進藤医師が提案する冷えとり?やっていたわよ、今もシルクの5本指ソックスをはいているわよ。ええ、湯たんぽも抱きしめているわよ。
デトックス?ええ、やっていたわ、断食とか・・・キレート療法も真剣に検討したものよ・・・アーユルヴェーダマッサージも受けたことがあるし、自宅でもやっていたわー気持ちいいのよ、あれ。
食事もコスメもすべてオーガニック?そうね、昔はこだわっていたわ。今はまーったく気にしないわ、業務用スーパーでもバンバンと買い物するわよ・・・切ないことにわたしの肌はもはやオーガニックコスメごときでは潤いが足りないのよ・・・
と何やら過去の通り過ぎていった健康法などを思い出して、ひとり、冷や汗をかいたり、ニヤリとしたり、とほほとしたりと忙しく読ませていただきました。
ああ、自分の過去のもう終わったと思っていた事実と向き合わさせられた気分だわ。
反省と自省をこめて『呪われ女子に、なっていませんか?』の内容紹介と感想文を綴らせていただきたいと思います。
かの小林麻耶さんもハマった?子宮万能説を唱える、「子宮系女子」
かの小林麻耶さん云々以前から、ネットウォッチャー界隈をざわつかせていた子宮系女子。
女性の健康と幸せは子宮をいたわることからという思想を持ち、さまざまな健康法や開運法、自己啓発法などを子宮と関連付けて語る女性のこと。いわゆる子宮万能説を唱える方々。
さて、「この子宮がすべて!子宮の声に耳を傾けて生きれば、あなたはハッピーになれる!」説を唱える方々がアメブロとFacebook界隈にわんさかと存在されています。
そして、この世界の大御所といえば、子宮委員長はる(現在は八木さや)。元風俗嬢ブロガーという肩書で高額セミナーやオンラインサロンを展開されている子宮のプロ(?)。
ただ残念なことに子宮委員長はるは昨年末に引退され(?)、今は何やら別の世界へ飛び立とうとされている様子。
そのため、現在は子宮委員長はるが運営していた、あのいかがわしく、怪しさ満載のブログを見れませんが(ある意味残念で仕方がありません・・・!)、HPだけはかろうじてまだ存在しています。
また、新しいステージに向けて(?)のアメブロも存在しています。
参考https://ameblo.jp/atelier-ringo
わたしが気付いた時に、子宮委員長はるはかなり大物(?)になっており、書籍出版はもとより、怪しげなオンラインサロンや高額なセッションを繰り広げていました。
そのセッション料金等の高額さとセミナー内容の不明さがいわゆるキラキラ起業女子と通じるものがあり、セミナー内容も含めていかにもなうさん臭さを醸しだしていました。
参考キラキラ起業女子に出会ったら、人生を変える前にスタコラと逃げるべし
子宮委員長はるに関してはいろいろな方が発信しています。批判的な見方をする人もいれば、いわゆる信者の方や同じ派閥の人たち(?)は子宮委員長はるを圧倒的に肯定しています。
わたしからすると「なぜ、あんなトンデモ理論にはまるのか」と不思議で仕方がありません・・・
書店で立ち読みだけしました(笑)Amazonの低評価レビューにすべてがあります。
昔の人は経血を体内に溜めることができた?「経血コントロール」
経血の排泄を、「尿のように自分でコントロールする」テクニック。月経になると子宮内膜の組織が剥がれ落ち、血液と混ざって流れ出てくるのが一般的だが、経血コントール実践者の間では「骨盤底筋が鍛えられていれば、経血を膣内にとどめておいたり、子宮内膜がはがれる感触を察知して、トイレで一気に出すことが可能」と考えられている。
昔の着物を着て、生活をしていた女性たちは下着を身に付けないで日々の活動を行っていました。
また、家事に対する負担なども現代の女性とは異なり、骨盤底筋が鍛えられており、「また」をぎゅっと締め、経血が流れないようにする筋肉の使い方ができていたそう。
その力を取り戻そう!というのが経血コントールの趣旨です。
単純なわたしは感動しました・・・「え、それができたら便利そう!」と感動しましたが、ほどなくしてわたしに経血コントロールは無理!という結論に。
意識で経血をコントロールなんか絶対にできません。が、できる人にはできるのだろう、と思っていました。
が、『呪われ女子に、なっていませんか?』によると、これも所詮は女版の「昔はよかった病」だそうで、医師の関口由紀先生によると「昔の女性が生理用品を全く使っていなかったわけでは、絶対にありません」とのこと。
今でも思うのですが、本当に経血をコントロールできる人っているんですか?
これこれ!わたしが読んだころと表紙が違うわ・・・
経血をコントロールするためにオススメされている運動。実は持っています・・・尿漏れに効くかも・・・遠い目
化学物資で子宮が汚染される!?だからこそ、コットンで作られた「布ナプキン」
布ナプキンとは布で作られた生理用ナプキンのこと。使用後は洗って繰り返す使う点から、エコ意識の高い女性たちの間で注目が集まっている。肌あたりがやさしく、使い捨ての生理用ナプキンではデリケートゾーンがかぶれがちな女性にも人気。
(一部省略)「生理痛が軽くなる」「生理が早く終わる」「婦人科系の疾患予防に」「妊活の女性に大人気」などの健康効果がほのめかされる(もちろんエビデンスはない)。
布ナプキン。
ええ、もちろん(?)、布ナプキンも憧れました。が、横着でずぼらなわたしにとって布ナプキンはとても敷居が高く、おいそれと踏み入れることのできない世界でした。
だって、布ナプキンですよ?きちんと月経を吸収してくれるの?漏れたらどするの?外出先で布ナプキンを変える時はどうするの(持ち歩くのです・・・)?洗って干して洗って干してと考えたら少なくとも20枚ぐらい欲しくなるけれど、布ナプキンは高いよね?あ、月経コントロールとあわせればいいのかな?
とモダモダ悩んだ時期があったのです。
また、市販されているケミカルナプキンを使うと「粘膜から毒が吸収される、結果として子宮に化学物質が溜まる」という話もインパクトがありました。実際のところ、この理論そのものはかなり懐疑的に眺めていましたが、布ナプキンを使える丁寧なライフスタイルに対する憧れはかなりありました。そして、布ナプキンを使えばPMSが軽くなるかもしれない・・・と。
が、ほどなくして、どこかで拝見したWEBページで鍼灸師の女性が「布ナプキンの効能云々をアホラシイ、トンデモ理論である。日本で市販されている生理用ナプキン使用に何の問題もない」とばっさりと切っているのを見て目が覚めました。
確かにデリケートゾーンが弱い人にとって布ナプキンは救いでしょうが、特に弱くもないわたしは市販の生理用ナプキン(ケミカルナプキン)でいいわ、と悟りを開きました。
ケミカルナプキンといわれようと安いし、便利だし、何のも不満もない、と。それにわたしは年齢的にもうじき生理があがるし。
今も5本指ソックスを履いている 冷えとり健康法
体の冷えを出すと、あらゆる不調が改善するという健康法。耳鼻咽喉科の医師であった進藤義晴氏によって1980年代に発案された。冷えとり健康法の考える”冷え”は一般的に言われる冷え性のことではなく、「下半身は冷たく、上半身は熱い」「体の奥は冷えがたまり、表面が熱くなる」状態を指す。冷えをとるための基本ケアに、絹と綿(またはウール)の靴下を重ね履きして”毒を出す”ことが推奨されるのが基本である。
冷えとりは万病に効果あり!という進藤医師のお説から、不妊や断薬、アトピー改善に役立つという話がまことしやかに広まっている。
え、これも呪われ女子!?と不思議に思いましたが、確かに冷えとりは万病に効く、とか胡散臭いものは確かにあります。
でも、実際のところ、わたしは冷え取りをして良かった、と思っています。
今でも5本指ソックスと靴下の重ね履きはしていますし、湯たんぽも愛用していますし、蒸しタオルで体のあちこちを温めることも実践しています。真夏も靴下を履いています。末端が本当に冷えているので・・・
でも、手足の冷えは相変わらずありますし、めんげん(冷えとり実践による好転反応とされるもの)とかさっぱり分かりませんでした。
わたしはゆる~く今後も冷えとりもどきを取り入れて生活をしていきたいと思います!開き直り!
断食と酵素ライフ♪ デトックス
デトックスとは有害物質や老廃物=毒素を積極的に排出させる健康法で、語源は解毒を意味する英単語「detoxification」を略したもの。
毒素の定義はデトックスの手法によって異なるが、一般的には体に害を与えるものの総称とされ、主に外から入ってくるものと、体内で発生するものの2種類がある。前者は重金属や添加物、化学物質など。後者は活性酵素や代謝物(老廃物)のほか、ストレスなどの心理的なものが含まれる場合もある。
これも一時期、ハマりました~汗
わたしは胃腸の調子がとにかく悪かった時期があります。それと並行してお肌も荒れました。
その頃に体内の毒素が胃腸にストレスを与え、結果として毒素が肌荒れとしてあらわれているんだ!とデトックスに取り組みました。
サプリ、酵素ドリンク、断食、ありとあらゆるものを試して胃腸を整えてお肌を綺麗にしよう!と励んだものです・・・
結果、デトックス中は確かに体はすっきりとしますが(物理的に食べないからね)、やめるとまた元の木阿弥で何度失望したことでしょうか。。。
また、アーユルヴェーダ式マッサージやデトックス、果てにはデジタルデトックスも実践していましたね~遠い目
まぁ、このあたりは個人の好みの範囲として許してください、という感じです(笑)。実際にわたしはデトックスですっきりとするもん。アーユルヴェーダ式マッサージ大好きだもん。
オーガニック野菜で育ったわたしによるオーガニック信仰
オーガニックとは有機栽培のこと。農産物、化粧品、繊維・・・細かい定義はジャンルによって異なるが、「科学的に合成されたもの(堆肥など)を極力使わない」ことが特徴。オーガニックの農産物は食の安全志向が追い風となり市場規模を広げているが、世間一般の”特別に健康にいい”というイメージを裏付けるデータはない。
呪われ女子だったわたしの母もかなりの呪われ女子の傾向があると思います。
生協を愛し、純粋な石鹸を愛し、スキンケアはシンプルにオーガニックオイル。そして、食卓に並ぶ野菜は父が作ったオーガニック野菜。もちろん、完全無農薬。父の野菜は確かに味が濃く、しっかりとしており、美味しいです。手作り最高!
そんな環境で育ったわたしは結婚後もオーガニックにこだわろう・・・!と燃えましたが、あえなく挫折しました。オーガニックライフはコスパ悪っ・・・!と撤退を。夫婦二人暮らしなのに1か月の食費が10万円ぐらいになりそうなんですが!?と。
また、化粧品もオーガニックにこだわりましたが、日本のコスメのオーガニック基準なんてあってなきがごとしの胡散臭いもの。
加えて、年齢を重ねるとオーガニックコスメだけでは追い付かない・・・!オーガニックだけでは駄目!と悟りを開いた今ではバリバリのケミカルコスメ、セラミドをこよなく愛用しています。
というわけで今は調味料だけちょっといいものにこだわって、あとはあんまり気にしないで食べています。業務用スーパーで買い物もしますし、ファーストフード店も行く。
結局、わたしの場合、日本の食のシステムを信じて、買い物をすることが一番楽!そうじゃないと食事が続かない。
心や体が弱っている時、人生が落ち目の時にするりと入り込む「呪文」
思えば、これらの「呪文」にはまっていた頃のわたしは体調がすぐれない頃でした。
胃腸の不調と吐き気、食欲不振、体重の減少に悩まされ、肌も荒れる。。。常に体調がすぐれず、常に体が重たかったものです。
病院を梯子しても、漢方薬治療をしても、整体へ通ってもすぐれない体調。自律神経失調症で片付けられ、体重が40キロを切ろうとしたとき、「結局、わたしの体はどうなっているのよー」と悩み、懊悩しました。
体がすぐれないと心もすぐれないもので、どんどんと思考がマイナスの方向へ向かいます。弱ってきます。判断力が鈍ってきます。
そんな時にスルリンと入り込んできたのがこれらの呪文だったような気がします。あな恐ろしや。
結局、わたしの体調不良はアレルギーによるもので、アレルゲンを除去したら一気に体調がよくなりました。
その瞬間、これらの呪いの効力が薄まったことが今思うとわたしにとってはある意味、良かったのかもしれません。あのままはまっていたら・・・汗
丁寧な生活、自分をいたわる生活への憧れを捨て去るとすべてがどうでもよくなる
オーガニックに代表されるように冷えとりやデトックス、経血コントロールなどはある意味、丁寧な生活や自分をいたわる生活などと結びつくものがあります。(子宮系女子はちょっと別ワールド・・・)
お金をかけるべきところにお金をかけて、毎日を意識して丁寧に過ごして、自分をいたわって生きていこう、と。自分で自分の理想とするライフスタイルを作り上げていこう、と。
これらへの憧れがあった時期がわたしにもありました。
でも、熱しやすく醒めやすいわたしは長く夢を見続けることができませんでした。呪いが解けると普通に平凡な生活を意識すればいいかな、と思うようになりました。
そして、その中にちょっとした彩りとしてシルクの5本指ソックス(気持ちいい)や湯たんぽ(気持ちいい)、アーユルヴェーダマッサージ(気持ちいい)などを取り入れていけばいいかな、と思っています。
ともあれ、『呪われ女子に、なっていませんか?』はなかなか面白かったです。
取り上げている題材的には「え、そんなん放っておけばいいじゃん~」と思うところもありましたが、一つのことを妄信することはやめようと思わせてくれるものがありました・・・!
それにしても、こんな情報過多の時代だからこそ、自分が取り入れる情報には敏感にならないといけないのかも!
その情報、本当ですか?裏付けはありますか?エビデンスがありますか?と。
もっと子宮系女子の話が中心なのかと思っていました。まぁ、子宮系女子だけならキワモノ本になってしまうのかな~?