発端は友人の後輩のオンナノコが休職している、という話。
聞いているわたしは「あら?」と思った後、ポロリと口からこぼしてしまいました。「また?」と。
すると友人の口からは待っていましたとばかりに、愚痴があふれ出しました。
わたしはその後輩のオンナノコのことを相当詳しく知っています。とはいえ、もうオンナノコという年じゃないのかな?多分、30歳を超えていると思いますが、40を目前にした二人からかかると彼女はオンナノコ。永遠にオンナノコ。
入社した時からなんとなくソリが合わないという話から始まり、フロアの雰囲気に馴染まない、マイペース、協調性ゼロ、という愚痴というか困った話というか困惑話というか。わたしと友人はその後輩のオンナノコで相当に盛り上がったことが何度かあります。
曰く・・・
「まったく話題に入ってこないのよねーかといって仲間外れにもできないし、声をかけるんだけれど迷惑そうなのよねー」「そういう子ってどこにもいるよね~一人が好きなんじゃないの?ほうっておいたら」「でも、一応同じフロア、同じ課である以上は上辺だけでも仲良くしてくれないと仕事がやりにくいわー」「でも、あんたにとって構うのがストレスなら、向こうは構われるのがストレスなんじゃない?」「そうかなー放っておくのがいいのかなぁ?昼休みもひたすらスマートフォンをいじっているのよねー・・・」
などなど。
で、その後輩のオンナノコがいつ頃か休職を繰り返している、というお話。
わたしの場合は上司がうつ病だった
正社員で働いていた頃、わたしの直属の上司がうつ病で休職に入りました。
薄々、予想はしていました。わたし以外の同じフロアの人間は皆、感じていたと思います。遅刻の回数が増えたり、仕事中に頭を抱えて机に突っ伏したり、フラーっと姿を消したりしていましたから。上層部の人間に呼び出された後が特に酷かったですね。。。
当時の仕事は激務でした。
フロアの人間は皆、終電まで働くのが当たり前みたいな環境で、今思うと心が風邪をひきやすい環境にあったんだろうと思います。その時は上司だったけれど、フロアにいる誰が風邪をひいてもおかしくない環境でした。
上司の「休職」の話を聞いた当初は心配していましたが、何しろ激務の職場。
今まで上司がやっていた仕事も何故か皆平等に振り分けられ、責任者は何処に!?みたいな状況に陥りました。
相当に混乱をしたような気がしますが、慣れとは恐ろしいもの。上司がいない間にも仕事はなんとかまわっていくように。とにかく残されたわたし達は仕事を回すことに必死でした。
うつ病の上司の復職、そして、再度の休職
ほどなくして、上司は復帰したものの、「心の病」という事実を伝家の宝刀のように掲げ、君臨すれども統治せず、のような曖昧な立場に。仕事はゆるゆる~という感じなのに、上司として口だけ出してくることにちょっと嫌気が。
とはいえ、それはまだ予想していたからいいんです。「仕方ないよなー」みたいな一種の諦めがありました。
皆、陰では愚痴をこぼしつつも表面上は上司をたて、来る繁忙期に備えて精進をしていた頃、また上司が休職に。曰く医者が「診断書を出した」とのこと。
「はぁ・・・繁忙期にねー」と思いながらも「ま、病なら仕方がないか・・・」とフロア一同なんとか無理矢理に納得をさせた矢先に衝撃の事実を知りました。
「うつ病の診断書は医者に書いてもらった」と上司が言っていたことを。「繁忙期に入ると俺の心はまた病んでしまうかも。だから医者にお願いをして、休職に入るよう診断書を書いてもらった」みたいなことを。
正直に思ったことを書きます。
・・・なんだよ、それ、みたいな。そんな簡単に診断書って出されるの?みたいな。それって単なる逃げじゃん!みたいな。わたしだって逃げたいよ、あの繁忙期から!!!逃げ出そうとしている上司がものすごく憎くなりました。
実際のニュアンスはどうだったのか知りません。真相も定かではありません。が、わたしの心はもう上司の病を理解すること、受け入れることを放棄しました。それまでは「わたしが不甲斐ない部下だから・・・」と思う部分も少なからずありました。わたしだけではない、おそらく他の部下も同じことを思っていたはず。
上層部と部下の狭間に立ち、上司は大変なんだろうな、と。木端微塵に砕けました。
で、後輩のオンナノコ
同じフロアの人にうつ病で休職が出るとちょっと微妙な気持ちになります。
わたしたちの態度がいかんかったのかなーみたいな。もう少し優しくフレンドリーにすればよかった?もっと仕事をやったほうがよかった?もっとコミュニケーションをとったほうがよかった?もっと、こうすればよかった?ああすればよかった?みたいな。
友人も同じことを思った様子。
「わたしたちの態度がいけなかったのかしら?もっと積極的にかかわるべきだった?」みたいな。
思うんだよね、周囲も。で、こっちがうつ病になりそーというぐらい思うんだよね、人に寄っては。別にわたしだけのせいじゃないと頭では分かっているんだけれど、なんかちょっとでも責任がありそーと思うんだよね。過剰に責任感を感じてしまうみたいな。
その後輩のオンナノコは有給で休んだり、休職で休んだり、ありとあらゆる手段で休んでいる様子。やっぱり、そうなると振り回されるのは周囲。
彼女が復職するたびに仕事の調整をしないといけない。また休職するかもしれない、と思っていてもまったく何も仕事を与えないこともできない。何らかの仕事を与えないといけない。で、休職するとまた仕事が戻ってくる、みたいな。
「配置転換は?」
「本人が嫌がっているっぽいのよねー」
「何?今の場所が気に入っているの?それとも新しいところに行きたくないだけ?」
「どうだろう・・・」
そうつぶやく彼女の顔は疲れていました。後輩と同じフロアの人は皆、うつ病に関する研修も受け、彼女のフォローをすべく一定の努力をしたみたい。でも、成果が出ず疲れているみたいな。
「後輩のオンナノコ、結婚退職とかないのかな?」
「・・・」
ドヨヨ~ンみたいな。
うつ病の人の周囲も振り回される
実際、相当振り回されると思います。
事実、友人は現在進行形でわたしは過去形で振り回されました。
わたしは上記の会社を離れた後、派遣社員としていくつかの会社を渡り歩きました。で、ちょっとビックリしたことにどの会社にもうつ病の人がいました。心の風邪と言われるだけのことはある!と妙に感心したものです。
ただ、わたしは派遣社員。外様。それゆえの気楽さがあり、うつ病の人にももう動じなくなっていました。
仕事だけ、と割り切って付き合うことにすると、まぁどうってことない、と実感を。あたりさわりなく表面的にさらっと付き合うぐらいでちょうどいい、と。
が、正社員の立場となるとやはりそうはいかない感じで・・・いろいろと愚痴を聞き、過去の自分をしみじみと思い出したものです。今回、友人の愚痴を聞きながら、またもや過去のわたしを思い出したものです。
うつ病は本人も辛いでしょうが、それと同じくらい周囲も辛いですね。
上司の立場でも部下の立場でも同僚の立場でも家族の立場でも辛いんだろうな、と思います。とはいえ、うつ病は心の風邪。こう書いているわたしや愚痴をこぼしている友人もかかる可能性がもちろんあります。
友人の沈んだ、疲れたような顔を見ながら、難しいなぁと思いました。
「愚痴りたかったら、また連絡をして!」
と励ましておきましたが、愚痴っても問題は解決されないんですよねー遠い目。どうしたいい、こうしたらいい、という正解がないところが難しくしているのでしょうか。。。