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映画『ピアノ・レッスン』何が悪い?女とは残酷な存在であると開き直ってみる

2015年7月1日

イメージ画像 ハート

先日、不倫映画に関する記事を書きました。

参考不倫映画5選・・・人妻だと分かっているけれど引き返せない。

ここに登場する映画『ピアノ・レッスン』を久しぶりに視聴しました。記録として軽く紹介を。

※ネタバレあります。お嫌な方はここで引き返しを。

映画『ピアノ・レッスン』(1993年)

監督:ジェーン・カンピオン

出演:ホリー・ハンター、ハーヴェイ・カイテル、サム・ニール、アナ・パキン

19世紀の半ば、スコットランドからニュージーランドへ写真結婚で嫁ぐエイダ。旅のお供は娘のフロラと一台のピアノ。エイダは6歳の時から口がきけず、ピ アノが彼女の言葉だった。夫のスチュアートはそのピアノを重すぎると浜辺に置き去りにし、原住民に同化している男ベインズの土地と交換してしまう。ベイン ズはエイダに“ピアノ・レッスン”をしてくれればピアノを返すというが。。。

映画『ピアノ・レッスン』感想

わたしが初めて映画『ピアノ・レッスン』を観たのは何歳の時だったのでしょうか。

非常に若い時だったことには間違いなく、ドキドキしながら画面を観たものです。

男と女のイケないものを見ているような。ファンタジーの艶シーンにはありえない、生々しさが『ピアノ・レッスン』にはありました。また、ホリー・ハンター演じるヒロイン、エイダの心の動きが分かりにくいことにもドキドキさせられることに。

が、アラフォーの今はドーンと構えて映画を観るようになり、そのことが少し残念で悲しい。

あの頃に感じたイケないものを見ているようなドキドキ感が薄れてしまっていることが残念で悲しい。それだけわたしが大人になったということでしょうか。

とはいえ、いま観ても尚、映画が持つ生々しい官能性にはハッとさせられますね。

『ピアノ・レッスン』はいかにも女性監督の作品らしく、女の残酷な様、意地の悪い様もゾクリとする感覚で描かれています。ニヤリとするような。あるある、こんな井戸端会議、みたいな。女とはそういうものよ!みたいな開き直りに近いものを感じます。

その意地の悪さはヒロイン、エイダとその娘、フローラにも引き継がれています。

この二人があの不器用な夫を追い詰めたといっても過言ではないでしょう。

エイダは間男と不倫をし、それを知った夫との葛藤の果てにあの残酷なシーンに繋がる、と。

それほどエイダは夫を追い詰め、翻弄したとしか思えないなぁ。でも、わたし、この手の女が嫌いじゃないですね。

愛した男はあの人、所詮あなたは依り代よ、だから最後まで抱かせない!みたいなエイダの壊れっぷりが嫌いじゃないです。同じ女から見ても「ちょい待て・・・」と言いたくなる残酷さですね。

ま、元々は夫がエイダの感性を理解しなかったことからはじまっていますからね・・・

そう、女は傷つけられた、踏みにじられた事実を永遠に忘れないのよ~ひょ~

また、そのヒロインにじわじわと追い詰められていく、身勝手で不器用な夫も嫌いじゃないです。むしろ、こんな夫、いっぱいいるよね―みたいな共感が。笑

そして、ピアノを通してエイダの心と体をとらえたハーヴェイ・カイテル演じたベインズも嫌いじゃない、とな。

現地のマオリ族とほとんど同化しながらも、どこか文明の香りを漂わせたヒロインの白い肌が持つ魅力にやられてしまった、と。ピアノの鍵盤をエサにヒロインと直截に交渉する様も分かりやすくていい。

夫もこれぐらい大胆にヒロインに出るべきだったんでしょうね。

そして、改めて見ると、エイダの娘を演じたアナ・パキンが本当に芸達者で驚きました!

彼女はこの作品でアカデミー助演女優賞を。それも納得のこまっしゃくれた少女をイキイキと演じています。本当に愉しい!

わたしはこの作品に出てくる登場人物すべてが嫌いじゃなく、「あ、あるよねー」みたいに共感を。わたしの中の意地悪い女の感性でしょうか?男性は恐らくこの作品が理解できない、もしくは難しいかもしれませんね。

わたしはピアノと共に。

ピアノ鍵盤

エイダと間男、ベインズの恋は実ります。

でも、エイダの脳裏に繰り返される海に沈みゆくピアノと、そのピアノに括り付けられたエイダ。波に漂うエイダの姿に彼女の心があるような気が。

彼女の恋は、不倫の恋は叶ったけれど・・・みたいな。

不倫映画にしては珍しくハッピーエンドの作品なんだけれど、どこか苦みを感じさせる終わり方。

それにしてもエイダに捨てられた、あの夫はどうしているのだろうか・・・?と思わずにはいられません。

エイダにこういう形で裏切られて、捨てられて・・・もっと若くてぴちぴちで素直な奥さんを手にしていますように!

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ワタノユキ

マイペースに生きる主婦 & 在宅ワークの日々(since20141003)。理想と現実の狭間を永遠に彷徨い中。 詳細なプロフィールはこちらにて。 わたしらしく年齢を重ねる もよろしく♡

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