キラキラ起業女子という言葉をご存知でしょうか?
非常にざっくりと申し上げますと・・・
キラキラ起業女子とはInstagramやFacebook、アメーバブログなどを使ってキラキラした日常をこれでもか、と投稿し、「わたしのようにキラキラしたければ、あなたも起業すればいいのよ!」と無責任なあおり、いえ、謎の提案をされている方々です。
そして、キラキラした生活をSNSに投稿しましょう!それだけで、あなたもわたしのようにキラキラした生活を送れるようになるわよ!
・・・として、やたらと高額なセミナーやサロン、もしくはお茶会を展開されています。
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ふーん、わたしには関係のない話だわ、と我関せずでしたが、キラキラ起業女子はネットウォッチャー的にはかなり興味深い存在です。
わたしの場合、まずSNSに投稿するキラキラ生活からどうやって収入に結び付けるのか?何が仕事なのか?そもそも、この写真、本当なの?本当に買ったの?という好奇心から入りまして、一時期、彼女たちを楽しく眺めておりました。「キラキラ起業」で検索をかけるといろいろと出てきますので読んでみてください。
そして、わたしの中でキラキラ起業女子に対する関心やブームも冷めた頃、かっての同僚からラインで連絡が入りました。
※身バレを防ぐために、今回の話はちょくちょくフェイクを入れています。ご理解下さい。
ユリコさん、覚えている?今、Facebookで繋がっているんだけれど、ランチいかない?
このラインを見た時、わたしは特に大きな疑いも抱きませんでした。
内容としては・・・
昔、一緒に仕事をしたユリコさん(仮名)を覚えている?ほら、あの現場で一緒だった綺麗な女の人。あの人とFacebookで繋がったのよ、懐かしいから会わない?と言われたのよ。どう、会ってみない?ワタノさんの名前も出したら「懐かしいー」と喜んでいたよ。
ユリコさん、そういえばそんな人もいたわね、と思いました。
が、正直、たいして印象にも残っておらず、ユリコさんに特段に会いたいとも思いませんでした。断ろうと思えば、断れたはずです。
が、その時のわたしはユリコさんよりも仲介をしてくれた、この元同僚に無性に会いたくなったのです(汗)
おまけに会場が大阪の某高級ホテルのちょっとお高いレストラン。ランチと言えど、最低でも5,000円から・・・みたいな。普段のわたしはなかなか行かない場所です。いえ、行けない場所です。なんだか気持ちが若返りそーとウキウキしてしまいました。やられてしまいました。
現実は・・・ウキウキしたまま行き、ドロドロとした気持ちを抱えて帰宅する羽目に陥りました。
久しぶりに再会したユリコさん、見事な美魔女ぶり・・・!
ホテルのラウンジで再会したユリコさんは50代。
正直、わたしの中でユリコさんのお顔はうろ覚えになっていましたが、再会した瞬間、分かりました。
と人見知りモードを拗らせた挙句のやたらとテンションマックスのわたし。思わず、落ち着け、と自分に言い聞かせました。
本当に美しい50代の女性でした。小柄ですっきりとしたスレンダーな肢体。そして、どこか浮世離れした妖精のような儚い雰囲気。持っているバッグやアクセサリーはわたしでも分かる高級ブランドのモノ。
もって生まれた美貌だけではなく、それを生かす方法を知り尽くしている印象。
ユリコさんは嬉しそうにゆったりと微笑み、「ワタノさんも変わらないわー」とお世辞を返していただきました。そして、やおら唐突に「記念に写真を撮りましょう」と誘われましたが、丁重にお断りさせていただきました。後から思うと断ったわたしはえらい。
でも、ちらっと「このユリコさんは何でわたしに会いたくなったんだろう?」と思ったことを覚えています。これは誘われた当初から疑問に抱いていました。
会話の端々に漂う違和感、妙な自信と妙なハッピーオーラと繰り返される「人生変わるよー」
ユリコさんの仕事を一言で説明するのは難しいのですが・・・一種の美容コンサルタントみたいなもんだと思ってください。
エステやコスメ、ウォーキング、姿勢、呼吸方法、ファッションのトータルコーディネートとか美人になる思考、内面から美人になる方法などを美容面をトータルでサポートしてくれる美容コンサルタント、だと思ってください。なんとかメソッドとかなんとかシステムの提案みたいなものです。
後、他にもいろいろと占いとか絵画とかお茶などの話もされていましたが、あまりにも散漫的過ぎて、わたしごとき凡人では理解が難しかったのです。
そんな中、やたらと印象に残っている言葉があります。それが「人生変わるよー」と言う言葉。
「わたしのセミナーを受けたら人生変わるよー」「わたしのセッションを受けたら人生変わるよー」「美人になったら女の人生は変わるよー」「知的美美女になったら人生変わるよー」「お金持ちになったら人生変わるよー」
・・・ドン引きです。
いえ、いえ、確かに女は美人になれば人生が変わるかもしれません。自信もつくかもしれません。また、お金持ちになれば多少なりとも人生が変わるでしょう。
ええ、ユリコさんは何も間違っていないことは言っていないと思います。
が、その時の熱に浮かされたような表情、揺るぎのないハッピーオーラ、それでいて、時折見せる不安定さ。「わたし、間違っていないよね?」的な。そもそも、わたしのセミナーって何?
もう、料理や会場の雰囲気を味わうどころではありません。ただただその場から逃げ出したくてたまりませんでした。
が、一方で「これってキラキラ起業女子だよね!?あのキラキラ起業女子だよね!?」と本物のキラキラ起業女子を目の前で見た喜びと興奮を感じるわたしもいました。
問題点1 明かされない具体的な数字と具体的なセミナー内容
本物のキラキラ起業女子(?)を前にして、がっつりと興味が出たわたしは気になることを意地悪く聞いてみました。
開業届けは出しているのか?パンフレットはあるのか?名刺はあるのか?現在の集客方法は?実際に顧客は何人いるのか?実際のセミナー費用はいくらなのか?その美容セミナーによるビフォーアフターはあるのか?何年続けるのか?いつから続けているのか?そのメソッド(システム)になんかの名称があるのか?
などなど。
それらに対してユリコさんははっきりとは答えません。曖昧に意味ありげに、ふわりと言うだけ。それが実に様になる実に見事な美魔女ぶり。本当に羨ましいわ!
が、その笑顔以上、具体的なものは何も出てきません。開業届の有無なんかイエスかノーで答えられるのに答えません。
そもそもそこまでわたしたちにその美容メソッドなるものを売り込むならば、名刺を出すべきではないのか?パンフレットぐらいでも配れば?と思うのですが、全く出てきませんし、料金体系も不明。
そもそも「本当に集客できているのか?」ということにつきます。
多分、絶対にできていない。断言する、ユリコさんは自分で集客が絶対にできていないし、収益を上げていないと思う。
また、帰宅後、Google検索をかけてみると何もヒットしないことになるほど、と大きく頷いたものです。
わたしの検索キーワードの選び方が間違っている可能性もありますが、この時点でキラキラ起業は彼女の妄想だと断定。
問題点2 無料でお願いしたいの!他力本願発揮
加えて、ちょっと図々しいアピールというか、アプローチをされました。
わたしと元同僚のスキル(?)というか、コネを当てにしている雰囲気を感じましたね・・・
「え、それは無理だよ。無料ではあり得ない」とわたしははっきりと断りました。
すると、敵もさるもの「ビジネスは損をして得を取らないと♡」とハートマークを飛ばしながらアプローチをしてきます・・・
「わたしの方針はできるだけ損をしないで、得をして得をとることなんだ~ギブアンドテイク派なんだ~ごめんね~」と笑いでごまかしておきましたことよ・・・
この手の女は一歩でもひいたら付けこんでくる!という思い込みがありましたので、断固として断ることしか考えておりませんでした。
「それじゃダメよ~!損をしないと利益は得られないものよ♡」と極めて優しく言われましたが、断固としてNO!
一方、元同僚はもっと大人の対応でした。
「一応、確認してみるね♡」
と。が、「確認するはずがねーだろ!」とのことで、ひれ伏しました。
キラキラ起業女子(?)ユリコさんの目的は2つだった、集客と協力
結局、ユリコさんの目的は2つ。
- セミナーへの勧誘
- セミナー事業(?)への無償協力
ひとつ目はあわよくば、わたしと元同僚が「人生が変わる」ユリコ流セミナー(サロン?)に参加してくれないかなーということ。
そして、2つ目はこのセミナー事業に無償協力してくれないかなー、ということだった様子。
しかし、申し訳ない、あなたと手を組んで何のメリットがあるのか分からないわたしなのでした。
むしろ、デメリットしか感じません。
そして、何より強く思ったこと。
キラキラ起業女子としてカモを手に入れるためのプレゼンをするならば、「もっと気合をいれろー!」と活を入れたくなりましたことよ。結局、ユリコさんの話は全体的に中途半端なのよね。
というわけで、lineの交換は拒否、電話番号を教えることも拒否した結果、偽物のメールアドレスを教えておきました。
これでわたしの気持ちを汲み取ってください。※尚、建前上、わたしはFacebookをやっていません。
ユリコさんのセミナーに参加すると、確かに「人生が変わる」かもしれない
今回、非常に印象に残った「人生が変わる」という文言。
「人生が変わる」という文言をこれほど薄っぺらく聞いたのはこれが初めてでした。
が、よくよく考えると確かにキラキラ起業を志した(?)ユリコさんの人生は変わったのでしょう。
だからこそ、10年以上付き合いのなかったわたし達にコンタクトをとる行動力を発揮したのでしょう。そして、会いたいわ、と告げたのでしょう。それは彼女の人生だからどうぞお好きに、と思います。
そして、彼女の理論というかメソッドに共感を抱くことができれば、人生が変わる可能性はもちろんあります。
但し、良きにつけ、悪しきにつけですがね。
が、わたしは彼女や彼女のセミナーのために自分の人生を変える予定はありません。
そのことを認識しました。
おまけ ユリコさんのFacebook拝見
元同僚に教えてもらい、ユリコさんのFacebookを拝見。
素晴らしく、充実した内容でした。これぞリア充。
が、ユリコさんが素晴らしく語っておられた肝心の事業(セミナー?サロン?)とは何だったのだろうか?と疑問に思いましたね。ユリコさんのFacebookからはちっともわかりませんでした。
そっと彼女のFacebookを閉じて、もう2度と見ないことにしました。
彼女がいつかキラキラ起業の夢から醒める日がきますように。
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