レスリー・チャン(張國榮)。
香港が生んだ最高の美男スター。アイドル歌手としてデビューし、のちに映画俳優として名を成しました。
わたしは映画から入りました。
『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』や『男たちの挽歌』、『欲望の翼』、『さらば、わが愛/覇王別姫』、『君さえいれば/金枝玉葉』、『楽園の瑕』、『ブエノスアイレス』。
わたしが10代から20代にかけて過ごした頃、中国返還前の香港映画は熱気をはらんでいました。怪しくもけだるい異国情緒をプンプンと漂わせており、それに心躍らされたものです。
ちょうど今の若い子が韓国に夢中になるようにわたしは香港映画にのめりこみ、そして、その時代を代表する香港スター、レスリー・チャンにのめり込みました。
少なくともわたしの中ではレスリー・チャンはとてもイケている存在でした。
レスリー・チャン、リヴァー・フェニックスを忘れさせた男
今年は武漢肺炎のためにレスリーの追悼式はなし、ということかな
それにしても香港メディア、武漢肺炎💦
気概を感じるぜ😇
頑張れ、香港!!!!!#香港加油 #張國榮https://t.co/SZR7iAkLm6— ワタノユキ@投資損失ヤバイ😱 (@Watano_Yuki) March 31, 2020
思い返せば…
10代の頃、わたしはアメリカの俳優、リヴァー・フェニックスの大ファンでした。
映画『スタンド・バイ・ミー』の大人びた男の子。
この頃、リヴァーには10代の少年特有の瑞々しい美貌があり、この映画で一目に恋に落とされました。以来、『スクリーン』や『ロードショー』などの雑誌を購入してリヴァー・フェニックスを追いかけていました。
しかし、リヴァーは23歳でこの世を去ることに。
2003年のハロウィンの夜。薬物の過剰摂取、オーバードーズ。
18歳の秋、受験生だったわたしはその衝撃から立ち直ることができず、結果として大学受験に失敗しました。
とにかく、わたしは若かった。
当時のわたしにリヴァーの死の衝撃を受け止める術はなかったのです。
その衝撃を忘れさせてくれたのがレスリー・チャンでした。
その彼がよもや10年後、わたしが生まれた日に死を迎えるとは想像だにしていませんでした。
参考アニメ『バナナフィッシュ』アッシュ・リンクスを見るとリヴァー・フェニックスを思い出す
レスリー・チャンの死
わたしは4月1日に生まれました。
戸籍上の誕生日は異なりますが、生まれた日はこの日であり、わたしにとってはいずれの日も誕生日として大切に思っていました。
参考「戸籍上の誕生日」と「実際に生まれた日」、どちらの日付で運勢を占うべき?
実際のところ、レスリーの死を知ったのは翌日の2日か3日の夕方でした。会社でポータルニュースの一覧で知りました。4月1日、マンダリン・オリエンタル香港、レスリー・チャンの自殺。
「レスリー…!レスリー!」と一人職場で衝撃を受けたことを覚えています。
それも、病死ではなく自殺…何があったのだろう?と一人途方にくれて、ひたすらネットの海をさ迷ったものです。
この時はひたすら呆然としていましたが、いつか、リヴァーはわたしが18歳の時にレスリーは28歳になろうとする時に亡くなったんだなーと気付き、妙なことを感じました。
そして、迎えた38歳の時、わたしの推しコリン・ファースは生きていましたし、今もなお、精力的に活動しています。
コリン・ファースはわたしのジンクスを破ってくれた人であり、今も好きです。わたしが48歳を迎える時も生きてくれていますように…!はぁ、尊い。
メガネ踏んだので、新しい眼鏡を1個仕込んでみました
映画『シングルマン』のコリン・ファースの眼鏡を真似してみた✅レンズ部分が大きいのは良い
✅目が疲れにくい
✅意外とフレームは邪魔にならないしかし…
✅あまりにも存在感がありすぎてビビる
つい、鏡の前で挙動不審に…💦 pic.twitter.com/ud2Ma06xUp
— ワタノユキ@投資損失ヤバイ😱 (@Watano_Yuki) March 13, 2020
レスリー・チャンの映画、個人的におススメ作品ベスト5
年代別に紹介します。
レスリーは長きにわたって香港の大スターでしたので、実に数多い作品に出演しています。その中でわたしの心の琴線に引っ掛かった映画のみをピックアップしました。
『男たちの挽歌』1986年
あの頃は香港ノワールが熱い日々でした。
今見るとダサいんだけれど、それがいい。それがわたしの青春だった(?)。
若き日のレスリーが警官姿で出ている!格好いい!と制服萌えをするための映画です。あとは銃とアクションと昭和っぽい雰囲気を楽しみましょう…!
(なお、チョウ・ユンファの格好良さはわかりません…すみません…)
韓国でリメイクもされています。
『欲望の翼』 1990年
当時はクリストファー・ドイルの映像が人気でこれもその一つ。
いかにもドイルらしい、せわしくなくも鮮やかな映像が展開されます。
それに対する好みは別れますが、基本的にドイル×カーウェイのコンビ作品は物語を楽しむのではなく、雰囲気や余韻、流れを楽しむための映画。
結果、内容的には正直、さほど好きではないけれど(理屈が勝ちすぎる…)、レスリーがとにかく美しいので、美しいので見て…!
『さらば、わが愛/覇王別姫』 1993年
わたしがレスリーに恋した映画。
それまでただのアイドルが俳優をやっているとみていたのですが、これを見てレスリー・チャンは俳優なのだ、と感じました。一流の俳優なのだ、と。
中国の伝統芸能、京劇において美しい女形を演じるレスリーを巡る愛と葛藤、そして、忍び寄る日中戦争と文化大革命の嵐。
ただ滂沱の涙を流したものです。歴史の非情な現実にただ、ただ涙を流すしかありませんでした。特に文化大革命に対しては衝撃の嵐。これを隣国の中国がほんの数十年前にやっていたのか、と恐ろしいものを感じました。
映画としても間違いなく一級品であり、時代に残る名作です。
参考『さらば わが愛 覇王別姫』日中戦争、中国共産党による文化大革命という名の粛清、激動の中国史をあぶりだす
『君さえいれば/金枝玉葉』 1994年
今の韓国ドラマや映画と同じ…!
男装の美少女と彼女に恋する男のロマンス。アニタ・ユンがかわいい!そして、そんな彼女(彼)に惹かれ、「自分はゲイなのか」と戸惑うレスリーもかわいい!
王道の正統派のロマンティックラブストーリー。
長らく見ていませんがまた機会があれば見たいな~
※ちなみに現実のレスリーはゲイでした。
『ブエノスアイレス』 1997年
今なお中華圏で大人気のトニー・レオンとの共演作。
南米ブエノスアイレスを舞台にゲイのカップルが衝突と別れ、再開を繰り返します。映画館で見てレスリーの艶っぽさにやられました…!
アルゼンチンタンゴのなまめかしさもあいまり、余韻に残る映画です。全体に漂う沈鬱な気だるさもたまらない…
生きていたら63歳だね、レスリー
もし生きていたら、63歳。
世のレスリーファンの怒りをかいそうだけれど、レスリーは禿げそうだったから(汗)、ちょっと髪が寂しい美しいおじいさんになっていたのかなー
それにしても美しい男だったわ…好きだった。
常盤貴子さんも出演しています!