聴力は50~60dB。補聴器ユーザー。
今まで、障害者手帳の取得を考えたことがない、と言えば嘘になります。しかし、「あと一歩」が足りないわたし。「あと一歩・・・って(汗)」
ま、ともあれ、日本では70dB以上でないと手帳が取得できないんですって!
検査の時に聞こえないフリをすればとれるかもしれない、と言われましたが、「そこまでするのも・・・」となーんにも行動していません。そして、今は障害者手帳を取得できないけれど、加齢に伴い、聴力が落ちれば取得できる可能性があるとも聞かされました。
補聴器をしないと生活できないけれど、障害者ではない。補聴器をするとぱっと見、健常者に見える。
そんなわたしの就職状況などをサラリとお話します。
40代主婦、補聴器を付けての生活とは?聴力は50~60dB & 障害者手帳は無し。
聴力50~60dB、補聴器をしたわたしの聞こえる世界は?
前提として、わたしは中程度の難聴者です。補聴器をすると普通に会話ができます。
手話を使えませんし、また、手話を使えないことに困ったこともありません。補聴器をして会話をすれば、わたしは健常者のように見えるようです。
普通に聞こえているし、普通に応対もできる、と。電話の応対も嫌いではありません。むしろ、今は受話器を通して聞く方が鮮明に聞こえたりします・・・!技術の進歩ってすごい、と感じるばかり。
たまに聞き間違えたりして、とんちんかんなことを言っても、元の性格からか「ボケている」と思われる感じですね(^^;
というわけで補聴器をしていればわたしはそれなりに会話もできるし、意志の疎通もできるし、能力は別にして普通の仕事もできる、と。
そんなわたしの就職状況。
面接時に「補聴器を使用していること」を告げるか否か問題。
面接時に補聴器をしていることを告げるか否か。
健常者の母親によると「言わなくてもいい」とのことらしいですが、わたしは補聴器をしていることを面接相手に言うようにしています。初めてのバイトの時から補聴器をしていることを告げていました。
告げた方がスッキリとすると感じたからですね。
黙って入ってもいずれはバレます。補聴器をしていることを完全に隠すことはできません。なので、はじめから告げていました。
正社員として2社で働きましたが、その際も告げています。もう、どんな反応だったのか忘れましたが(汗)、わたしは面接の終わりに補聴器ユーザーであることを告げますので「え、分からなかった」とか言われたんじゃないでしょうか。
その後、派遣社員として数社を渡り歩きましたが、その時も告げました。この場合、登録した派遣会社に告げ、派遣会社のコーディネーター or 営業から派遣先企業に連絡がいっていました(と思います)。
正直に申し上げますと、補聴器を理由に採用を断られたことはないのかなーと思っていますが、どうなんでしょうか?正直なところ、今まで面接を落ちたこともありますが、それって補聴器が原因というわけではない、と捉えています。
別の言い方をしますと、そう捉えるようにしていると言えるかもしれません。
わたしは補聴器のせいでこの面接に落ちたわけではない。他の面接者が優秀だった、わたしでは条件が折り合わなかった、わたしの何かが、補聴器以外の何かが気に入らなかった、と。そう考えるほうがわたしの心が安寧します。
そうでしょ?
補聴器を口実にして、面接を落ちたことをウジウジと悩んでも仕方がないじゃない!と。そんな心の狭い人の元で働くの?働きたかった?と。
わたしは補聴器をしないと生きていけないんだもの!と。
でも、この心境に達したのは30代を超えた頃からのような気がします。
20代のわたしは柔だった。どこまでも脆く、弱い存在でした。補聴器のせいで泣いた記憶もあります。就職ができない云々以前に、就職の扉に立てないわたしがいました。
泣いて、泣いて引きこもりたい時期もありました。
わたしが補聴器をしていることは事実として高く、目の前にそびえたっていました。どのどうしようもない事実に絶望に近い気持ちを抱いた日もありました。
でも、わたしは補聴器と共に生きるしかない。補聴器のない人生なんて考えられない。
そして、補聴器をしながら働く、ものすごく背伸びをしていた。
22歳で大学を卒業後、2社で正社員、数社で派遣社員として働き、現在は個人事業主 & パートのわたし。
ここ数年は基本的に在宅の一人ワークでこの夏から何を血迷ったのか週4日のパートとして外へ出ました。
その中で感じたことは外で働いている時のわたしはものすごく頑張っているということ。ものすごく背伸びをしている、と言えるかもしれません。
在宅での一人ワークはやはり楽ですね。
わたしの在宅ワークの場合、基本的に電話もなく、やり取りはメールやチャット、スカイプが主。そこに音は関係ありません。会話もありません。また、基本的にわたしは1人の時間を楽しむことができる性格。
ひとり仕事はひとり仕事で孤独でプレッシャーもあります。愚痴をこぼす相手もいませんし、基本的にすべてのことはわたし一人でこなします。苦手だ、と避けたいことも避けるわけにはいきません。やるのはわたしだけ、わたしがやらないと誰もやらない。
そういうプレッシャーとか孤独感はありますが、一方でわたしはものすごく楽だったように思います。
人間関係を排除したから。会話をしなくてもいいから。いつ飛んでくるか分からない会話に構えなくていいから。相手の声をキチンと聞き取れるか構えなくていいから。
それがなくなるだけでこんなに楽なのか・・・!と体感しました。
特にこの夏からパートに出掛けて、そのことを強く体感しました。
難聴者にとって突然飛んでくる会話は怖いものです。とっさに反応できないことが多々あります。わたしは相手の顔を見て1対1で話すのは得意ですが、集団でありとあらゆる角度から会話が飛んでくると本当にしんどいのだ、と感じています。親しい間柄ならそれでもいいのですが、会社ではね~
ちょっと今、これがストレスになっていますね~トホホ
とにかく、ひたすらしゃべりまくっている職場なんですよね・・・基本的にシーンッとした環境に慣れていた身からすると驚くほど。まぁ、いろいろな意味で「?」な部分がある職場であることは間違いありませんw
会社とは理不尽な場所であることよ。
途中から愚痴になりました(^^;
補聴器のことを隠して働いたら?
さて、補聴器のことを隠して働いたらどうなるのでしょうか?
実際のところ、補聴器ユーザ-であることを告げる必要があるのでしょうか?
女性ならば、髪型とかで絶対に補聴器を隠す自信がある人っているのでしょうか?わたしも一応、耳を隠す髪型をしていますが、それでもバレますよね~
補聴器を隠して働くことはありかもしれません。特にわたしと同程度のレベルの人ならば、日常会話程度でしたらさほど困らないでしょうし。
また、「聴力は仕事と関係ない」「眼鏡をしているようなものだ」と割り切れる方はどうぞその信念を貫かれるといいのかな、と思います。
ただ、わたしはそこまで強くありません。
補聴器を隠して働きだすと「いつ、バレるんだろう?何を言われるんだろう?」とビクビクしてしまいます。それならば面接の時に言ってしまおう、と。
最後に、補聴器ユーザーはどこで働くのがいいのか?結論、技術を身につけよう。
わたしは基本的にPCを使う仕事をしてきました。
アルバイト時代に接客経験もありますが、基本的に人と話す仕事は避けています。コールセンターとかは多分、無理でしょうね。わたしの聴力なら、コールセンターもできなくもない気がしますが、性格的に無理でしょうね~(^^;
何か問題があったら、「補聴器だから・・・」と落ち込みそうですしね。
また、水を使う仕事もしません。水に触れると精密機械である補聴器が壊れてしまうから。
そういう意味で汗をかくことも避ける傾向があります。たまにならいいのですが、毎日、毎日、汗をかくと補聴器が壊れてしまいそうで怖いです。というわけで空調が効いていない環境での仕事はしません。
最近は水中でもイケるほど防水機能の高い補聴器があるようですが、価格を拝見する限り、わたしは恐らく一生縁がないでしょうね・・・
わたしの中の結論として・・・何らかの技術を身に付けるのが一番かな、と。
そして、その技術を元に電話とか会話を求められずに、黙々と仕事ができるように環境を整えていく、と。わたしはそれを目標として在宅ワークを頑張ったような感じです。自分ひとりの腕で生きていけるように、と。
もちろん、わたしの腕はまだまだですし、これからももっと頑張る必要があるかと思いますが、一つの山を越えたような気がします。
何かあってもこの在宅ワークでわたしは生きていく、と。補聴器のことを気にしないで働く環境を整えていく、と。
パートとして外で働いている時に特にそのことを実感しますよ~ああ、早く保険代とか年金とか税金とか気にしないぐらいの身分になりたいわ~涙
こういう時、障害者手帳がマジで欲しくなりますことよ・・・(;´д`)トホホ
ともあれ、わたしの場合、究極的に一人でPCに向かう仕事が一番楽でしたし、向いていると思っています。
でも、個々によって向いている仕事、やりたい仕事、難聴の程度も異なるでしょう。そして、何よりも補聴器を理解し、受け入れてくれる人、配慮してくれる人がいれば、その職場で働くことがもっとも素晴らしいものになるのではないでしょうか。
わたしは補聴器ユーザーですが、健常者とほぼ同等に普通に働いています。
そして、それは非常に恵まれているのかもしれない、と最近、思うようになりました。働ける、というだけでありがたいことなのだ、と。
補聴器をしていることでどうしても萎縮してしまう部分がありますよね。その一つとして面接、就職などがあるかと。わたしも悩みました。恐らく、補聴器ユーザーの方は皆、同じように悩んでいるのではないでしょうか。
でも、一歩、外へ足を踏み出す勇気を忘れないでい頂きたいと思います。