アガサ・クリスティー著『オリエント急行の殺人』読書感想※ネタバレあり。

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フェリシモ「コレクション」

久しぶりにアガサ・クリスティーの『オリエント急行の殺人』を読みました!

以下、思いっきりネタバレがあります。

『オリエント急行の殺人』に使われている、今回のトリックはミスオタには非常に有名なトリック。

何も知らない人が読むと今回のトリックに「えっ!」「ウソっ!」とある種の衝撃を受けることは間違いありません。なので、これから『オリエント急行の殺人』を読む予定の人は絶対に以下を読まないでください。

繰り返します。

絶対に以下を読まないでください。

そう、以下のわたしのしょぼい文章を読んで結末を知るよりも、ミステリーの女王と呼ばれたアガサ・クリスティーの『オリエント急行の殺人』を読んでくださいませ。

そして、黄金期の、まさにミステリー小説家としてこれ以上ない上質な(?)脂がのっていた時期にアガサ・クリスティーが仕掛けた華麗なる技を堪能するほうが100倍も1000倍も楽しめます。

断言します。

なので、アガサ・クリスティーの『オリエント急行の殺人』をまだ読んだことがない人は絶対に以下を読まないでください。

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アガサ・クリスティー著『オリエント急行の殺人』。

『オリエント急行の殺人』は1934年に発表された作品。

探偵はクリスティーファンにはお馴染のエルキュール・ポアロ。口髭のおじさん。彼が偶然、乗り合わせた列車で殺人事件が起こる、という筋書きになります。

さて、『オリエント急行の殺人』に使われているトリックとしては一種の密室殺人事件になります。

「殺人犯人はわれわれと一緒にいるのですーいまもこの列車の中に・・・」

1934年、この時期にクリスティーは長編作品を三作発表しています。

他2冊はアガサ・クリスティーにしてはやや格落ちの『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』と『三幕の殺人』。

1年間に長編のミステリー小説3作を発表!

これだけでもすごいですが、この1934年以降にクリスティーは歴史に残る名作を連発していきます。

1936年に『ABC殺人事件』、1937年にわたしの一押し『ナイルに死す』、1939年不朽の名作『そして誰もいなくなった』等々。クリスティーの代表作に挙げられる作品の多くが1930年代に書かれています。

1930年代はまさにクリスティーの黄金期でした。そして、本書『オリエント急行の殺人』もこの時期に含まれます。

『オリエント急行の殺人』はミステリーの女王がその実力を遺憾なく発揮した時期に描かれた作品であり、かつ、女王の実力を隅から隅まで堪能できる作品でもあります。

まるで上質のワインを飲むように。

アガサ・クリスティー著『ナイルに死す』ネタバレ感想、男を愛している女と女に愛させている男、そして男が愛している女

ミステリー小説の楽しみはトリックにあり。

人によってミステリー小説の楽しみ方はいろいろとあると思いますが、わたしはやはりトリックが解明される瞬間にあると思います。

その解明に至るまでいろいろな人物を眺め、「うーむ、こいつが犯人だ!」「いや、やっぱりこっちが犯人かな?」「で、トリックは何?」「ええーそんな展開あり?」とかいろいろと考えます。ひたすらグルグルと考えます。

そして、ミステリーの真相が、結末がわたしの予想を裏切った時、それも大きく激しく裏切ったときほどカタルシスを感じます。驚きが大きいほど感動も大きくなります。

その強いカタルシスをこの『オリエント急行の殺人』でも強く感じました。

そう、クリスティーはそのあたりの人間の心理をつくのがうまいんだよね、と感動させられます。読者を惑わし、焦らし、そして、思いがけない結末を提示する、と。感性が素直だった10代の頃(?)、それに中毒症状を呈し、本当にかぶりつくようにしてクリスティーの本を読んだものです。

もう一度、書きます。

以下、思いっきりネタバレがあります。これから楽しみたい方は絶対に読まないでください。

『オリエント急行の殺人』の犯人は。

物語の舞台は超豪華寝台車オリエント急行。

オリエント急行。

我が人生で一生に一度は乗りたい電車。

クリスティーの頃とルートが異なるのが残念ですが、現在でもオリエント急行は走っています。

サイト:http://www.belmond.com/ja/venice-simplon-orient-express/?hll=1

素晴らしい雰囲気と共に素晴らしいお値段設定。財布に余力がある方、是非、チャレンジのほどを。

そして、物語の背景にはアメリカで起こった、リンドバーグ事件。

リンドバーグ愛児誘拐事件(リンドバーグあいじゆうかいじけん)とは1932年にアメリカ合衆国で起こった誘拐殺人事件。捜査機関によって犯人が特定されたものの冤罪説もあり、謎が多いことで知られている。

リンドバーグ愛児誘拐事件

ここに書かれているリンドバーグとは初の大西洋単独無着陸飛行に成功した、当時有名だった飛行士チャールズ・リンドバーグを指します。

映画ファンには『翼よ!あれが巴里の灯だ』の主人公と言えば分かりやすいでしょうか。そのチャールズ。リンドバーグの息子が誘拐され、殺害された実際の事件『オリエント急行の殺人』の背景にあります。

『オリエント急行の殺人』では「デイジー・アームストロング事件」とされていますが事件の背景はほぼ同じです。そう、幼いデイジー・アームストロングは誘拐されて、むごたらしく殺されてしまいます。そして、この衝撃の事件をきっかけにアームストロング家に悲劇が次から次へと襲い掛かります。デイジーの両親の死、召使の死。

この事件の数年後、物語の舞台は動き出します。

そう、オリエント急行で。

雪のオリエント急行に乗り合わせた乗客は・・・。

まずは、アメリカ人の大富豪。その秘書と執事。

美貌の若いイギリス人女性。たくましいイギリス軍人。若き伯爵夫妻。高齢の公爵夫人。そのメイド。おしゃべりな夫人。スウェーデン人の婦人。イタリア人のセールスマン。 アメリカの私立探偵。フランス人の車掌。

そしてムッシュー・ポアロ。世界一の名探偵。

一見、何の関係もゆかりもない彼ら。

しかし、彼らは皆、それぞれの立場においてデイジー・アームストロングと関わりがあった・・・

彼らはアームストロング家の友であり、妹であり、秘書であり、従者であり、料理人であり、乳母であり、運転手であり、恋人であり、そして、母親でもあったのです。

彼らはデイジー・アームストロングの誘拐、死による悲劇を体感した人たちでもあったのです。

そして、彼らはデイジー・アームストロングを誘拐し、殺害したのみならず、アームストロングの一家とその召使を死に追いやったラチェットを殺害するためにオリエント急行に乗り合わせたのです。

そう、ラチェットを殺害するために。

そう、犯人は。

ポアロ、ムシュー・ブーク、コンスタンチン博士以外の乗客全員が共謀し、ラチェット殺害を成し遂げたのです。

復讐のために。

そして、正義のために。

綿密に計画をたて、そして、実行を。

ただ、予期せぬこととして雪のために電車が止まったこと、そして、名探偵エルキュール・ポアロが乗り合わせたこと・・・結果として密室殺人事件に。ポアロさえいなければ、事件はいつまでも闇の中に放り去られたでしょう。

そして、ここでポアロが下した決断は?

ポアロは彼らの心情を理解し、復讐を理解し、犯人は外部にいる、としました。

初めて『オリエント急行の殺人』を読んだとき。

「おい、それ、ありー!?」と叫んでしまいましたことよ。

でも一方でいかにもクリスティーらしいトリックだわ、と感嘆も。そう、常にミステリの常識を打ち破る勇気を持っていたクリスティーらしい、と。

今からこの衝撃を味わえる人が本当に羨ましく思います。是非、一度読んでみてくださいませ。

〔こちらも読んでね〕独断と偏見で5冊チョイス。初めてのアガサ・クリスティ―作品はこれから読むべし。

2015年8月28日追記、再び映画化される模様。

再び映画化されます。

イギリスが誇る名優ケネス・ブラナーがメガホンをとるかもしれない、とのこと。詳しいキャスティングはまだはっきりとしませんが、誰がポアロを演じるのか気になるところです。

更に追記。結局、ブラナー自身がポアロを演じる様子。ミスマッチ感が・・・(^^;

映画『オリエント急行殺人事件』ネタバレありの感想、原作との比較・違い、続編への伏線

12月8日に公開され、見てきましたー!

ゴージャスな映像美にうっとりとしましたよ(^^)/

>>映画『オリエント急行殺人事件』ネタバレありの感想、原作との比較・違い、続編への伏線

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ワタノユキ

奈良在住のアラフォー主婦。
マイペースに生きる主婦 & 在宅ワークの日々(since20141003)。理想と現実の狭間を永遠に彷徨い中。 詳細なプロフィールはこちらにて。 わたしらしく年齢を重ねる 大人の塗り絵ライフ もよろしく♡