先日まで、女の子の日ということで、やたらと寝込んでいました。
で、そうなると布団の中にやたらと本を持ち込みます。
結果、久しぶりに氷室冴子さんの『 銀の海 金の大地 』を布団の中で読みふけりました。
で、こっちもお腹が痛いし、意識モーロ―だし、吐き気半端ないし・・・という状況の中、『銀の海 金の大地』の中で繰り広げられる激しい運命の流転に滂沱の涙。文字通り滂沱の涙。
ああ、真秀…!
『銀の海 金の大地』はホルモンバランスが乱れている時に読むと、ますますもろもろが乱れるお話ですな。
氷室冴子著『銀の海 金の大地』
『銀の海 金の大地』は1992年~1996年に刊行されたコバルト文庫、少女小説。
わたしが大人になっても買い続けた少女小説。
これを最後に少女小説を卒業しましたが、氷室先生の本なら『銀の海 金の大地』を永遠に追いかける気満々でしたわ。
古事記にある「狭穂毘古(さほひこ)の叛乱」の物語に前後を付け加え、脚色したストーリーとなっている。 キャッチコピーは「古代転生ファンタジー」。このコピーはすべての単行本の表紙にも印刷されている。
雑誌「Cobalt」上で1991年10月号から1995年4月号にかけて連載され、序章にあたる「真秀の章」が完結した(単行本で全11巻)。作者のあとがきによると、少なくとも全20冊に及ぶ予定の長編で、次は佐保彦を主人公とした「佐保彦の章」が執筆されるはずだった。しかし、その後13年ものあいだ、このシリーズが再開されることはなかった。やがて2008年6月6日に作者が死去。未完の作品となった。
そう、なかなか続きが発行されないイライラを抱えたままいましたが、氷室先生にはよくある話でして・・・シリーズが続けられない、ということが。
でも、先生が生きている限りはいつか続きが読めるかも・・・刊行されるかも・・と淡い期待を抱いておりましたが、それも叶わず。
『銀の海 金の大地』は古代転生を絡めた、壮大なファンタジー古代史
実はわたし、あんまりファンタジー小説は好きじゃないんですね。
オタクなのに。
オタクにも趣味があるんだよーということでファンタジー小説はさほど萌えません。『ハリー・ポッター』『ロードオブザリング』シリーズなんかもさっぱりと理解をしない人です。『銀河英雄伝説』とかは好きなんだけれどー。ああ、読みたくなった、ちくしょー・・・
ともあれ、ファンタジー小説が苦手なわたしが『銀の海 金の大地』にはまった要因は以下に集約されます。
- 氷室冴子が著者
- 舞台が古代の奈良
- わたしは歴女
以上。
当時のわたしはは氷室先生の本を無条件に購入していましたし、それほど氷室冴子のファンでした。その先生の本ともなればいつまでも追いかけます!という気概があふれんばかりにありました。
そして、『銀の海 金の大地』は古代史をモチーフにしているだけあり、奈良生まれの奈良育ちのわたしには馴染みのある地名がバンバンと出てきます。
それを眺めながら、ああ、あの場所で真秀が!佐保彦が!日子坐と御影が!なんて妄想をするのがたまらんのですよー
しかもわたしは歴女ですから、中途半端に古事記の知識とかありましたしねー奈良の学校では割と古事記を勉強することが当時はあったんですよーそもそも、わたしの実家の周りが古事記の舞台だし。現在、住んでいるところも古の都があった場所だし。
『銀の海 金の大地』の物語は第1章で終わる
そう、第1章「真秀の章」で終わっています。
一族を滅ぼす存在である御影と真澄、真秀が実は佐保の一族を永遠に生かす存在であり、大闇見戸売と佐保彦の王子、佐保姫が佐保を滅ぼす存在であった、というところで。
そして、佐保姫は三輪の大王に見初められ、嫁ぐ・・・というくだりから「あ、佐保はやはり滅びるのだ」と実感をしました。
で、どうやって滅びるの~!!で、誰が転生するのー!!やっぱり真澄なのかい!?と続きを待ち続けましたが、結局は誰も転生をすることなく・・・
つくづく氷室先生の逝去があまりにも早すぎたことが残念でなりません。
さて、この佐保の一族がいた場所が現在の奈良市のあのあたりなんだよなーとなんだかシミジミするのですよ。あの佐保川で・・・!とか。
葛城の王子とかもなんだか親しみを感じるよー笑
でね、よく妄想するんです、氷室先生の頭の中の構想ではこの後、どうなっていったんだろう、と。
『銀の海 金の大地』第1章以降、わたしの中の妄想
以下はわたしの勝手な妄想話です。
佐保は滅びるのか?
滅びるのでしょう。歴史的(?)にも滅びます。
サホの王、サホビコの妹のサホヒメは、大和のイクメ大王(垂仁天皇)の后であったが、謀反の心を持つ兄から、大王を殺すようにと小刀を渡される。昼寝中の夫を刺すことができなかった后は、問われていきさつを打ち明け、大王の軍はサホビコ討伐に向かう。身ごもっていた后は、兄と夫が戦うことに耐えられず、 実家へと逃げ帰ってしまう。サホビコは稲で砦を築き、大王の軍と戦った。
やがて稲城の中で王子が生まれ、それを知った大王は、后と子の両方を取り戻そうと図る。サホヒメは王子だけを差出すと、自分は砦に戻り、兄と命運をともにする。城は焼かれ、兄妹は焼け死んだ……。http://www013.upp.so-net.ne.jp/mayalibrary/essay/kodaisi5.htm
ただ、どうやってこのように持っていくのかがわたしの頭の中では想像できないんすよね・・・
佐保姫は間違いなく、三輪の大王に嫁いだけれど・・・佐保彦はそこまで三輪の大王を恨んでいたようには見えない。むしろ、彼の憎しみは全て和邇一族に向けられていたと思うのですが・・・というか、父親である日子坐か、美知主に向けられているような気がしてなりません。
うーん、どうやって佐保を滅ぼすつもりだったのだろうか?
それを考え出すと本当に悩むわー
- 佐保vs三輪の大王連合
- 佐保vs日子坐&美知主
しかし、日子坐&美知主親子がそんな愚かなことをするとは思えんしなー・・・あ、こっちか。
- 佐保vs真若王
のほうがありえるな・・・ 日子坐が死に、美知主に制御ができなくなったときに、真若王が暴走する・・・でも、これって『古事記』とは全く重ならないよねー(・・;)
そこで登場するのが真秀。佐保を永遠に生かす子。
真秀はどのように佐保に関わるのか?
うーん、うーん、そもそも関わるのだろうか?
波美王の元でのほほ~ん(?)と生きるのでしょうかねー?真秀×波美王もありだと思うんですがー何気に波美王ラブなわたし♡
真澄という超能力の増幅器官というか依代を失い、真秀の能力はどれだけ残っているのか・・・あ、だから真澄が転生するはずなのか!今度は同母の兄妹という関係ではなく、他人として生まれ変わり、真秀×真澄もありなのか!?今度こそ佐保と関係なく二人でラブラブのハッピーライフを!と長らく思っていました。
でも、やっぱり少女小説である以上、そして、真秀が戦うヒロインである以上は正統派は真秀×佐保彦なんだよねーそう考えると佐保を捨てきれない佐保彦を真秀はどのようにサポートをするんだろうなーと考えちゃうんですよね・・・
「佐保彦、あんた・・・」
と真秀が登場するシーンばかり頭に浮かびます。佐保を永遠に生かす真秀と佐保を滅ぼす佐保彦。いずれの力が上回るだろうか・・・。
この当たりのくだりをツラツラと小説仕立で書いてみようかしら笑
いずれにしてもこの二人には普通の幸せは訪れない気がします。
わたしの中で、この二人は強く惹かれあいながらも、決して強く結ばれない二人だという思いがあります。
日触は物語に関わってくるのか?
日触って誰?という方。
第1章の終わりで美知主が通っていた女に生ませた子どもです・・・本当にもう何人も何人も(・・;)
で、何気に彼が真澄の生まれ変わりだと思うのですがーあら、そうすると今度は同じ父の元で真秀と姉弟関係になるのか!?
ま、でも、母が異なれば夫婦になるのはOKの時代だからねーでも、真秀×日触はなかなか想像できない。そうさせるためには最低でも13~14年ぐらいの年月が必要よね・・・
13~14年・・・その間、真秀はどうしているのか・・・うーん、うーん。 考えるだけ知恵熱がでてきそう。
歌凝姫は幸せになれるのか?
本当、コレ。
色々な恋人や夫婦が登場してくるけれど、わたしの中で一番強く残ったのはココ!歌凝姫×須久泥王よ!!!
清らかで一途な初恋がいつの間にか不倫の関係になり、最終的には愛憎半ばする関係に。
須久泥王には須久泥王の言い分があり、彼なりの処世術があるんだろうと思うけれど、歌凝姫にはまったく、まーったく通じていないわねwww
美しく高慢な娘、歌凝姫。
その花のような顔にいつか再び微笑みが訪れることがあるのだろうか・・・と本当に気になって仕方がありませんわ。。。
でも、何気に須久泥王も好きなわたしwww
彼のような男は夫にするのは最高だと思うわけですよ、恋人ではなく夫というのがポイント。妻に永遠に夢を見せてくれるわ、きっと。
わたしの「佐保彦の章」を書いてみたい
あくまでもわたしの中での佐保彦の章ね。
まずは『古事記』を読んで、当時の豪族の動きを一通り理解しないといかんなぁ~できるかなぁー?やや不安・・・
何よりもわたし、オリジナルはあるとしても、二次小説を書いたことないのよねー`s(・'・;) エートォ...
果てしなく遠い道のり。
でも、自分の中で妄想を膨らませるのはアリだと思うのよね~ああ、『銀の海 金の大地』ファンの方と語り合いたい~やっぱり、なんかサイトを立ち上げようかな~で、時代考証とかするの!